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恋愛小説:セシル~恋する木星~

セシル ~恋する木星~ 第3話 ふたつの美術館とマルシェ


それから、一行はシャガール美術館へと案内される。
高級住宅街にある、緑豊かな静かな場所。オリーブの木の奥に、美術館はあった。

シャガールと言えば、聖書をモチーフにした作品が有名だ。数百点にも及ぶ作品が展示されており、どれも胸にぐっとくる。
セシルは子どものころ、教会に通っていたので「人類の創造」や「楽園追放」など、なじみのあるものには特に惹きつけられていた。
そして、コンサートホールの壁一面を大きく彩る、シャガール・ブルーの美しいステンドグラス。
椅子に座ってゆったり眺めていると、どんどんブルーの光の中に吸い込まれそうになる。なぜか涙があふれそうになってくるセシルだった。

ずっとここにいたい。動きたくない……。
それは、魂の願いだったのかもしれない。


シャガール美術館を堪能した後は、マルシェ(市場)へ。花や野菜、果物、スパイスなど、それぞれ専門のお店がいくつも立ち並ぶ。
黄色いミモザだらけのお花屋さんに心が弾む。ミモザはセシルの大好きな、春を告げる花だ。
数年前に小豆島を旅行したときのことを、セシルは思い出していた。

野菜や果物はどれも色鮮やかでつややか。また、その陳列の仕方がとても綺麗で、レイアウトにセンスの良さを感じる。珍しいものも多く興味津々で見ていると、ところどころで試食もさせてくれた。初めて食べたドライトマトの、深い甘酸っぱさに感動するセシル。


その後、マティス美術館へと一行は向かう。
見晴らしの良い高台の、オリーブの木が茂った公園にあった。
シャガールの青とはまた違う、マティスの光あふれる鮮やかな青に、セシルは目を奪われていた。





☆☆☆ ご案内 ☆☆☆

この後のお話は、
小説サイト Berry's Cafe にて更新しております。

続きを読まれるかたは、こちらからどうぞ。

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『セシル ~恋する木星~』


なお、著者名は「姉小路ミナト」として登録しています。

また、今後も当ブログで、
『セシル ~恋する木星~』更新のお知らせは、
その都度していきますので、
どうぞよろしくお願いいたします。


2016年2月21日
cafe sanur


☆ ☆ ☆


2016年4月30日
無事、完結しました。

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cafe sanur







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恋愛小説:セシル~恋する木星~

セシル ~恋する木星~ 第2話 ニースの展望台


ツアーで最初に訪れたのは、ニースの街を一望できる展望台。
「コート・ダジュール」という響きだけで、なぜかうっとりしてしまうセシル。旅行前にガイドブックを見たときから、この展望台から撮影したであろう写真を見て、どうしても自分の目で見たいという強い思いがあった。

海は近くで見るのもいいけれど、高いところから見下ろすほうが、実はセシルは好きだったりする。なぜか、同時に恐怖も感じるのだけれど。
それでも、結果としては、美しいものを見たいという気持ちのほうが、恐怖心よりも勝ってしまう。怖いもの見たさ、というのとはちょっと違う。別に高所恐怖症というわけでもない。

でも、今回だけは違った。
海のほうに近づくにつれて、足がすくむのだ。
早く見たいのに、なかなか近づけないもどかしさ。セシルは直子の腕にしがみつきながら、一歩一歩足を踏み出し、ようやく遠目で見ることができた。
まさに、絶景。ここから見える紺碧の海は本当に綺麗で、『天使の湾』と呼ばれるのも納得。

旧市街の屋根の色はレンガ色で統一されていて、とても可愛らしい印象。これは、法律で規定されているのだとか。
青い空と碧い海、それに屋根のレンガ色のコントラストが、また素晴らしい。

突然、直子が言った。
「ねぇ、セシル、大丈夫?」
「え? うん、大丈夫」
「なんだか、顔色が良くないみたい」
「うん、ちょっと寒気が」
「え? 寒いの?」
「うん、なんかあまりにも感動的な景色だからかな、鳥肌立っちゃって」
「ちょっと座ろうか?」
「うん」
直子に支えられるようにして、セシルはベンチに連れて行かれた。

「お水、飲む?」
直子がペットボトルを差し出した。
「あ、ありがとう」
セシルは自分のバッグにもミネラルウォーターがあったことを思い出し、「自分の、飲むから大丈夫」と、直子に言った。
ふたりはそれぞれのペットボトルから水を飲んだ。
セシルはバッグからハンドタオルを取り出すと、首筋やこめかみにうっすら浮いた汗を拭いた。

そんな様子を見ていた直子が、また心配そうに声をかける。
「セシル、ほんとに大丈夫なの?」
「うん、もう落ち着いた。心配かけてごめんね」
「なら、いいけど。ちょっといつもの怖がり方と違ったから」
「そうなのよね。いつもは怖いけど、もっと平気っていうか」
「そうよね。さっきのセシルのしがみつき方、半端なかったもん。腕に痣ができるんじゃないかって思っちゃった」
直子は笑いながら言った。
「え? そんなに? ごめーん、直子。無意識」
「でも、もう顔色も戻ってきたみたいだし、大丈夫そうね」
「うん、ありがとう」

しばらく休んだあと、ツアーのみんなで記念写真を撮った。






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恋愛小説:セシル~恋する木星~

セシル ~恋する木星~ 第1話 懸賞で当たった旅行


「鈴木セシル」から、「葵(あおい)セシル」になって七年が過ぎた。
セシルは、夫と幼稚園に通う息子との三人暮らし。
二年前、夫の転勤で京都から横浜に引っ越してきた。

横浜は、セシルが十歳の夏休みに初めて訪れた場所だった。山下公園で氷川丸を見ながら、「ここは、わたしの街。わたしは、ここに住む!」と、宣言した通りになっていた。

セシルは息子を出産して、初めて専業主婦になったのだが、そのころハマり出した趣味のひとつに懸賞があった。よく当たるのでテレビや雑誌の取材も何度か受けていた。
ここ最近の一番の戦利品と言えば、フランス旅行だろう。二月下旬に一週間、パリとニースに行くことになっている。全国で三組六名の招待旅行。まさか自分が当選するとは思っていなかったので、セシルは当選の電話がかかってきたとき、本当に驚いた。

五歳の息子を残して行くのはどうかと思ったけれど、もう二度とこんな機会はないだろうからと、夫も快く留守番を引き受けてくれた。
結局、実家の母親が息子の面倒をみてくれることになり、セシルは京都の大学時代の親友、直子と一緒に行くことにした。
直子は、大学のときからつきあっていた、同じサークルのひとつ上の中村先輩と結婚して、翌年すぐに子どもが産まれた。今、小学二年生の男の子の母親だ。

セシルが直子をフランス旅行に誘ったとき、一週間家を空けることになるので、先輩に反対されるんじゃないかと少し心配したのだが、意外にもすんなりOKしてもらえたと聞いてほっとした。子どもは先輩の実家で、お姑さんがみてくれるとのこと。直子はお姑さんに気に入られているから、何の問題もなかった。


二月十九日、快晴の成田空港からフランスに向かって、セシルと直子は飛び立った。
セシルは大学三年の夏休みに、直子は十年前にハネムーンで、それぞれフランスに行ったことがあった。今回、ふたりとも二度目の渡仏だ。

結婚すると友達づきあいが希薄になってしまいがちだと、特に女性はそう言われることが多い。
でも、ふたりは京都と横浜に離れてからも、年に一度は会っていた。今回の旅行のように、一週間も一緒にいるのはさすがに初めてだったけれど。





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