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恋愛小説:わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

わたしがまだ姫と呼ばれていたころ  episode1 三日月

                              
その昔、わたしがまだ姫と呼ばれていたころの話。

あるとき、見知らぬ男から『月の歌』が届いた。
悪戯だと思って、無視した。

翌日、また届いた。
この星の誰よりも君のことを思っている、というような嘘っぽい歌。
返事はしなかった。

三日目。
また来るような気がして、待っている自分に少し驚く姫。
果たして、男から届いたのは、『三日月の歌』。
朔から数えて三日目の夕方、シャンパンゴールドに輝く細い儚げな三日月が西の空に架かっていた。
三日月の歌を、三日によこすセンスに姫は惹かれた。

「月がきれいですね」が、"I love you." を意味することは百も承知だ。
理系歌人のような、緻密に計算された言葉選びも新鮮だ。
シャイな感じも漂って、姫は危うく堕ちそうになった。

だが、最後がイケナイ。

三日月が沈む明日の朝までそばにいるよ、だって?

三日の三日月は、夕方に沈んでしまうのよ。
弦の向きが反対でしょ?
明け方まで残っている月を、三日月と呼ぶセンスに思わず引いてしまう。

こうして、姫の淡い思いは一気に萎んだ。
三日月も、あっという間に海へと沈んでいった。


IMG_1564cafesanur20150810a.jpg

これは12月9日 午前6時25分に撮影した、月齢27.4の有明の月です。




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