恋愛小説:わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode2 お姫さま抱っこ


                             
その昔、わたしがまだ姫と呼ばれていたころの話。

つきあって間もない男に、いきなりお姫さま抱っこをされたことがある。
しかも、外で。

「ちょっと~、やめなさいよ」
足をバタバタさせて手を突っ張って抵抗を試みたが、姫のか弱い力では到底無理な話。

「45」
いきなり、男が言った。

「なんのこと」
ポカンとしている姫を、一度空中に放り投げて抱き直す男。

「危ないでしょ、なにするの」
語気が強くなる姫。

「45キロくらいちゃう?」
「え?」
「姫、45キロくらいやろ?」
「体重のこと?」
「うん」
「もうちょっとある」
「エエの。ボクのハカリが、そうゆうてるし」

それまで、もがいて力の入っていた姫の全身の力が、するんと抜けた。
「おっ。もすこし、かるなったな。42くらいか」

抱っこされていた姫の肩と腿が、男の厚い胸のほうへ、ぎゅっと抱き寄せられた。
覗きこんだ悪戯っぽい男の瞳が笑っている。
お姫さま抱っこも、悪くない、と姫は思った。




episode1 から読んでみたいかたは、こちらからどうぞ。
   ↓
わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode1 三日月





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