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恋愛小説:わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode15 微妙なダブルデート(3)


翌朝、朝食のとき同期の一人に姫は声をかけられた。

「ねぇねぇ、姫さんたち、昨日あれからどこか出掛けてた?」
「え? ううん、ずっとふたりで部屋にいたけど……なんで?」
「ほんとに? 同期みんなで飲みに行く話になって、何度か部屋に電話したんだけど」
「そうなの? 全然気づかなかったわ」
「ほんとに、いた?」
「うん。疲れてたから、すぐお風呂に入って寝ちゃったの。それで気づかなかったのかもね。ねぇ、リナ?」
「うん、昨日はぐったりだったもんね」
「そうなの?」
「そうよ」

同期の子は、なおも疑い深げに姫とリナを交互に見ていたけれど、それ以上話すこともないのでそう言い切ると、姫はコーヒーを取りに行った。

「だけど、絶対疑ってるよね?」
リナが後ろから姫に囁いた。
「うん。でも、いいんじゃない? 別に」
「そうだね」
そう言うと、姫とリナは夕べできなかった、それぞれの話の報告をし合った。


リナは江崎と真剣に交際しているようだった。
そういう雰囲気が馬場にも伝わったのか、あるいは、戸川からリナのことを聞いていたのかわからないけれど、昨夜馬場は少し淋しそうにリナのことを見つめていた。

オーストラリアではもっと熱い目で見ていた。
それが、遠い目というか、諦めの表情のように見えたのは気のせいだろうか。

姫は戸川から「つきあいたい」と言われたけれど、まだ返事はしていないのだと、リナに報告した。
「で、どうするつもりなの?」
リナが興味津々という感じで訊いてくる。

「うーん、つきあってもいいかなって、思い始めてる」
「ほんと? いいんじゃない? 戸川くん、優しそうだし」
「うん、そうだね。問題は、しずちゃん対策かな」
「うーん。でも、別に何も言う必要ないんじゃない?」
「まぁね。でも、もしバレたら嘘つき呼ばわりされるのは、まず間違いないよね」
「うん、『長瀬くんって、言ってたくせに』ってね」
「うん。でも、リナだって、そうだよね?」
「わたしも?」
「そう。しずちゃんがスキーのとき、最初『いい』って言ってた江崎さんとつきあってるじゃん?」
「あ、そうか」
「わたしたちって、罪な女ね」
そう言うと、ふたりで笑い合った。

実際、就職してしまうと、しずちゃんと顔を合わせる機会もほとんどなくなる。
もともとそんなに親しかったわけでもないし、と姫は割り切ることにした。




        【episode16 に続く】






episode1 から読んでみたいかたは、こちらからどうぞ。
   ↓
わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode1 三日月







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