恋愛小説:わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode17 テニスサークル(6)


「ごめん、俺が飲ませちゃったから」
申し訳なさそうに言う露木に、姫は囁いた。

「悪いと思ってる?」
いつしかタメ口になっていた。

「うん。姫さん、ほんと、ごめん」
「ほんとに悪いって思ってるんだったら、この次の練習に来て」
「え?」
「露木さんのテニスしてるとこ見たいから」
「うん、わかったよ」
露木は、子どもに言うみたいに優しくうなずいた。

「それと、もう一個」
気をよくした姫が、調子に乗った。

「何?」
「露木さん、バイクで来るんでしょ」
「うん。今日は飲み会だからバスで来たけど」
「今度の練習の帰り、バイクで送ってって」
「え?」

露木の顔に、驚きの表情が少し見えた。
姫は一瞬まずかったかなと思ったけれど、ここで引くのもなんとなく可笑しな気がして、わざと甘えてみた。
「露木さんの後ろに乗ってみたいの」
「わかった、いいよ。ほかには?」

露木は、姫の口から出たワガママにとことんつき合おうとしているのか、目を細めて姫を見つめていた。
「うーん。今度会ったとき考える」
「OK! 楽しみにしてるよ」
そう言うと、露木は姫の頭を軽く撫でた。





          【episode17 (7)に続く】
  



episode17 テニスサークル(1)
 は、こちらをご覧ください。
   ↓
http://cafesanur.blog.fc2.com/blog-entry-157.html





episode1 から読んでみたいかたは、こちらからどうぞ。
   ↓
わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode1 三日月







にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

恋愛小説 ブログランキングへ

☆ お読みいただき、ありがとうございます ☆
関連記事

テーマ : 恋愛小説
ジャンル : 小説・文学

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

cafe sanur

Author:cafe sanur

現在の閲覧者数: