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恋愛小説:わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode18 野球観戦(5)


姫はバッグから急いで、大き目のタオルを取り出した。
一瞬、このカープのスポーツタオルで拭くのは嫌だな、なんだか縁起悪いし、と思ったけれど、背に腹は代えられなかった。

隣の席の奥さんも慌てて、お弁当についていたおしぼりで拭いてくれた。
さすが、奥さん。やっぱり自分のカープのタオルは汚したくないよね。
こんな状況でも冷静に観察している自分自身に、姫は少し驚いた。

「あの……、あの……。ほんと、すいません」
売り子の男は、20歳くらいだろうか。その困った様子が少し可愛くて、「大丈夫よ」と思わず姫は言った。

すると、奥さんが「弁償してもらいや?」と横から口を出したので、姫はびっくりした。
「え? だって、手が滑ったのはわたしのせいだから……」と姫が戸惑っていると、奥さんはなおも強気だった。
「その子がもっとしっかり確認してたら、零さへんかったやろ? 姫ちゃんがちゃんと持ったの確認せんと、手離したからやん」

奥に座ったご主人は、自分には関係ないと決め込こんだのか、美味しそうにビールを飲み始めていた。そんな様子に気づいた奥さんが、ご主人を巻き込んでさらに言う。
「あんたも見てたやろ?」
「え、あ……う、うん」

奥さんに頭が上がらないのか、面倒くさいのか、ご主人は肯定と取れる返事をした。



          【episode18 (6)に続く】





episode18 野球観戦(1)
 は、こちらをご覧ください。
   ↓
http://cafesanur.blog.fc2.com/blog-entry-170.html




episode1 から読んでみたいかたは、こちらからどうぞ。
   ↓
わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode1 三日月







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cafe sanur

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