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恋愛小説:わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode19 ジューン・ブライド(2)


姫にとって、フランキンセンスは聖なる香りであると同時に、リラックスする香り。
自分自身に正直になれる香りでもあった。

「ねぇ、この香り……」
「そうだよ、姫さん。あなたを解放する聖なる香り、乳香だよ」

乳香。
牧師さんはいつもそう呼ぶ。
ミルラのことだって、いつも没薬と言う。

まぁ、牧師さんなら、当然かもしれない。
姫はどちらかというと、フランキンセンスという響きが好きだ。
フラン(franc)は、古いフランス語で「自由」という意味だそうだ。
それもあって、姫は惹かれるのかもしれない。

「どう? 不安な気持ちは薄れてきたかな」
「はい」

姫は素直に、彼にゆだねようという気になっていた。



ドアがノックされる音がした。

「どうぞ」
牧師さんの声に続き、「失礼します」と、少しくぐもった男性の声。

部屋に入ってくる気配がした。
姫のベッドのすぐ右横には牧師さんがいる。その反対側へ、ベッドの足元を回り込んで歩いてくるスリッパのペタペタした音。
タバコの臭いが、ふわっとした。

「よろしくお願いします」
姫のベッドの左側から、男の声。

「姫さん、感じたことを正直に話してみて」
牧師さんの声。

「あの……なんでもいいですか」
「遠慮しないで」
牧師さんのやさしい声に促され、姫は思ったままを話す。

「タバコ。タバコの臭いが、ちょっと苦手です」
「ありがとう……もう結構です」
「ありがとうございました」

姫は何が起きたのかわからず、ポカンとしていた。


         【episode19 (3)に続く】




episode19 ジューン・ブライド(1)
 は、こちらをご覧ください。
   ↓
http://cafesanur.blog.fc2.com/blog-entry-197.html






episode1 から読んでみたいかたは、こちらからどうぞ。
   ↓
わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode1 三日月








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