スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

恋愛小説:わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode21 ブローティガンの詩集(4)


積んである読みかけの本の一番下から、詩集『チャイナタウンからの葉書』が出て来た。
ブローティガンは、姫は読んだことがなかったけれど、池澤夏樹さんの訳だというので、すんなり入ってきた。彼は大好きな詩人だ。

「この本。そうだ、去年の誕生日にカレがくれたんだった」
途中まで読んで、なぜかそのままになっていた。
懐かしくなって、開いてみた。

片づけも忘れて読み進めていくと、栞がはさんであった。そうか、ここまで読んでたんだ。
さらに読み進むと、姫は「あっ!」と思わず、声を上げた。
ブローティガンの詩を引用する。


The Beautiful Poems

I go to bed in Los Angeles thinking
about you.

Pissing a few moments ago
I looked down at my penis
affectionately.

Knowing it has been inside
you twice today makes me
feel beautiful.

         3 A.M
         January 15,1967




続いて、池澤夏樹さんの訳。

ビューティフルな詩

ロサンジェルスできみを想いながら
 ベッドに入る。

さっきおしっこをする時に
自分のおちんちんをよく見たんだ。
 かわいかった。

今日これがきみの中に
二度入ったんだと考えると
 ビューティフルな気持ちになる。

        一九六七年一月十五日
        午前三時




そして、そのページにハートの付箋紙が貼ってあった。

【これが、僕の気持ち。19XX年12月25日。午前3時】

カレの文字だった。
姫はその瞬間、鼻の頭がツンとして、目が潤んで文字が揺れるのを感じた。

全然、気づかなかった。もらってから、もう半年になる。
去年の姫の誕生日、2回愛し合ったのも事実だった。
カレは、この本と同じことを……。シャイなひとらしかった。

姫は、「ごめんね、ごめんね」と、本に涙の雫を落としながら、そこにいない男に謝った。


              【episode21 (5)へ続く】





☆参考文献☆

『チャイナタウンからの葉書』
R.ブローティガン 著
池澤夏樹 訳
株式会社 筑摩書房
2011年5月10日 第一刷発行


       





ブローティガンの詩集(1)
 は、こちらをご覧ください。
   ↓
http://cafesanur.blog.fc2.com/blog-entry-215.html








episode1 から読んでみたいかたは、こちらからどうぞ。
   ↓
わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode1 三日月








にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

恋愛小説 ブログランキングへ

☆ お読みいただき、ありがとうございます ☆
関連記事

テーマ : 恋愛小説
ジャンル : 小説・文学

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

cafe sanur

Author:cafe sanur

現在の閲覧者数:
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。