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恋愛小説:さぁ、どっち?

さぁ、どっち? case1 (1)


あなたは、寝苦しさで目が覚めた。冷房も切れている。
枕元のケータイを手に取る。午前二時。
一応、お肌のゴールデンタイムは過ぎたから、今から起きていても問題はない。

隣のベッドからは、気持ちよさそうな男の寝息が聞こえる。
「この人は地震が起きても気付かない人だから」
この暑さでよく寝られるものだ、と半ば呆れながらも、少しうらやましくなる。

もう一度冷房をつけ直そうかと思ったものの、喉の渇きを覚えたあなたは、隣の男を起こさないように電気もつけず、そっとキッチンに向かった。
冷蔵庫を開けると、飲みかけのペットボトルを取り出し、そのまま口をつけて飲み干す。水がやっぱり一番美味しい。

あなたはベッドへ戻ると、ケータイを触り出す。新着メールは、ない。まぁ、この時間だし。
やはり暑さに耐えられず、冷房のタイマーを入れる。
隣のベッドの男は微動だにしない。少し腹立たしくもあった。

男と暮らし始めて、三か月が経とうとしていた。お互い独り暮らしだったので、家賃が浮くから、という名目の同棲。
あなたのほうが広いマンションに住んでいたこともあって、男が契約更新のタイミングで更新せず、あなたの部屋に転がり込んできた。

最初のうちは、とにかく新鮮で毎日が楽しかった。
ふたりとも働いていたので、家事は分担することにした。
料理をあなたが作って、男が洗い物をする。休みの人が洗濯をして、もう一人が畳む。掃除は気づいたときに、気づいた方がする。ゴミ出しは、水曜が男、土曜があなた。
そのくらい決めておけば、あとはなんとかなると思っていた。

でも、いつの間にか、男が家事をあまりしなくなった。要するに、あなたに甘えていたのだ。
食事が終わっても、いつまでも寛いでいて、一向に洗い物をしない男に何度あなたは注意したことか。そのたびに「今しようと思ったのに」と不服そうに言う男。
いつまでもそのままにしておくと、汚れがこびりついてしまうし、何よりキッチンがいつまでも片付かないのが、あなたにはとても苦痛だった。
しびれを切らしたあなたは、黙って洗い物を始めることが多くなった。言っても嫌な顔をされるのなら、言わずに自分でしたほうがストレスにならない。
こうして、なし崩し的に料理も洗い物も、あなたがひとりでするようになってしまった。

洗濯についても似たようなものだ。お互い同じ日が休みだと、必ずあなたがする。いつか黙っていてもやってくれたらいいな、とあなたは期待した。だが、今まで一度もそんな日は訪れなかった。

この人と結婚したら毎日こうなるんだろうな。
あなたは男との未来に、いくらか失望するようになった。


【さぁ、どっち? case1 (2) に続く】








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