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恋愛小説:わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode9 タロット占い(2)


このお話は、わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode9 タロット占い(1) の続き になります。

よろしければ先に、episode9 タロット占い(1) をお読みいただくと、話がわかりやすいかと思います。




タロットの的中率アップには、具体的な質問であることが第一条件だが、もうひとつ大切なことがある。
それは、直感。
カードを見た瞬間の、第一印象。大まかなことは、この開いた一瞬でわかる、と言っても過言ではない。

このときの表情を、相談者に読まれないようにすること。姫はいつもそれに気を付けている。
だから、高校の文化祭で占い館をしたときは、紫色の大きな風呂敷を頭からすっぽりかぶった。そうやって目だけ少し覗かせることで、表情を読まれないようにすることができた。また、ミステリアスな占い師っぽさを出すための演出としても、当時は十分役立った。

今は、ある程度訓練したので、顔を出していても、目の微妙な動きに気をつけていれば大丈夫だ。
恋する乙女は、占い師の一挙手一投足に注目している。
いくら死神や悪魔のカードが出たとしても、こちらはポーカーフェイスでいなければならない。これが、姫の持論だった。
まぁ、そのようなカードが必ずしも悪い意味であるということはないが、一般に絵柄だけ見るとインパクトもあるし、「怖い」とか「これはもうダメ」とか、誰だって思ってしまうだろう。
もちろん、カードの向きによっても、意味は変わってくる。

「どうなの?」
五枚のカードを表にしても、しばらく何も言わない姫にしびれを切らせたリナが訊いた。
「まず、現状ね。この最初のカード」
「うん」
姫はVの字の谷の部分のカードを指し示しながら言った。
「これは、『運命の輪』というカードよ」
「いいの? 悪いの?」
「これを見たときの、リナの気持ちは? なんかいいな、とか、逆に、なんかヤだなとか……」
「うん、明るくていい感じがしたわ」
「そうなのね? これは転機が訪れたことを表しているの。今、リナは良い感じがしたって、言ったでしょ。文字通り幸運の訪れね」
「そうなの?」
リナの声が、突然弾む。

「ええ。運命が好転しているわ」
「で、それは今のカレとのこと?」
「順に見ていきましょ」
「うん」
「今のカレを、左側にしてたわよね。まず、二番目のカード。これは、『月』ね」
「なんとなく不安な感じがする……」
「そうね。リナ、ふたりとつきあいたいって最初に言ってたけど、それってなんでだろうね」
「うーん。最近カレといても、カレが何考えてるのか、よくわからなくて。もしかして浮気とかしてないかな、とか考えるようになって。で、そんなとき、新しい人に出逢ったの」
「そうなんだ……。今ね、リナの口からも出たけど、この月のカードはね、そんな不安なリナの心のうちを表してるの」
「そうか……。ちょっとコワイね」
「コワイ?」
「見抜かれてる、っていうか」
「そうかもね。それとね、カレのほうでも、リナの気持ちがよく見えないって思ってるかも」
「そうなの?」
「お互いが今、見えなくなってきてる状態なんじゃないかな」
「うん、わかる」



       【episode9 タロット占い(3)に続く】




episode1 から読んでみたいかたは、こちらからどうぞ。
   ↓
わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode1 三日月






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