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恋愛小説:わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode9 タロット占い(3)


このお話は、わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode9 タロット占い(2) の続き になります。

よろしければ、episode9 タロット占い(1) から順にお読みいただくと、話がわかりやすいかと思います。



「じゃ、次に新しい人のほう、見てみようか」
「うん」
「これは『愚者』のカード」
「グシャ?」
「愚かな者と書いて、愚者」
「じゃ、良くないってこと?」
「そう簡単に割り切れるもんじゃないでしょ? 良くない、って言われたら諦めるの?」
「うーん」
「これはね、無限の可能性を表してるの。まだ、出逢ったばかりで、その人のこと、よく知らないでしょ」
「うん、確かに。ルックスとか雰囲気とかいいなって」
「まだ何も始まっていない状態ね。世間的には、カレがいるのに他の人を好きになって、なんて思われるかもしれないけど、そういう世間の常識からも自由でいられる、ある意味ピュアっていうか。だから、言葉を替えれば愚かってことにもなるんだろうけど」
「うん、納得」

「ふたりのカレとの状況を見たところで、いよいよ結論に行きますか」
「はい」
「じゃ、左側のカード。今のカレのほうからね。これは『塔』」
「これって……」
「リナは、何を感じた?」
「塔が崩れてるんでしょ? もうダメってこと?」
「まぁ、簡単に言うと」
「やっぱ、そうなんだ……」
「思い当たることがあったのね?」
「うん。さっき、カレが浮気してるかもしれない、って言ったでしょ」
「うん」
「このごろ、昼間のデート、ずっとしてないんだ」
「じゃ、夜とか?」
「ううん。サークルで会ったときに、帰りにみんなで夜ごはん食べて終わり」
「それって、デートじゃないね。ごはんのあと、ふたりでどっか行ったりしないの?」
「うん。カレが次の日、朝からバイトだって言うから」
「そう」
「前はね、そんなことなかったの」
「そうだよね。リナ、よく外泊届、出してたもんね。このごろ、ないな、とは思ってたけど」
「うん。ねぇ、この塔って、別れるってことなのかな」
「そうねぇ。リナはどうしたいの、別れたいの?」
「別れたいわけじゃないの。だって、カレのこと、好きなのは事実だもん」
「そっかぁ……。好きなんだよね」
姫は、いったんリナの気持ちを受けとめ、リナの次の言葉を待った。

「とりあえず、新しいほうのカレのも観てくれる?」
「うん。これは『太陽』のカード」
「見てて明るい気持ちになるね」
「そうね。祝福を意味するカードだから」
「じゃ、もう答えは出ちゃったってこと?」
「リナがそう判断するなら……。さっきの愚者もピュアな心や、常識に囚われない自由さを表していたけど、この太陽のカードは、子どものような無邪気さとか素直さも表しているの。リナが自分らしく自信を持っていられる恋愛、文字通り太陽だから昼間のデートとか、公認とか」
「こうにん、って、公認の仲ってこと?」
「そう」

「実はね、今のカレとのこと、サークルのみんなには内緒なの」
「なんで?」
「カレが、まだ黙っててって言うから」
「それって、どうなの」
「絶対、あやしいよね」
「そのサークルの人間関係がわからないから何とも言えないけど、でも隠れてつきあうのって、ちょっと……」
「わたしはみんなに早く言いたいって言ってたんだけど」

「リナ、ここまで観てきたけど、どう? 今もふたりとつきあいたい気持ちに、変わりはない?」
「ううん。カレと別れる」
「そんな、今急いで結論出さなくてもいいけど」
「新しい人とはね、なんか最初から意気投合っていうか。気を遣わなくても、何でも言えるの」
「それはいいことよね。太陽は、満たされる喜びとか、告白して上手くいくとか、肯定的な意味が多いから、リナが本当に自分らしくいられる相手と一緒に居ることを応援してくれると思うわ」
「ありがとう、姫。なんだか勇気がわいてきたわ」
「良かった。いつものリナに戻ってる」
「え? どういうこと」
「最初、この部屋に来たときの、ドヨンが消えてる」
「わたし、ドヨンってしてた?」
「うん、珍しくね」
「さっそく、これから新しいカレに電話してみるわ」
「気が早いわね、相変わらず。……そういえば、運命の輪には、すばやい行動っていう意味もあったわ」
「そうなの? いろいろありがとね、姫。次の人、待ってるよね。声かけてくる」
「うん、リナのこと、わたしも応援してるよ」



           【episode9 タロット占い(4)に続く】




episode1 から読んでみたいかたは、こちらからどうぞ。
   ↓
わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode1 三日月






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