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恋愛小説:わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode10 スカッシュ(3)


このお話は、わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode10 スカッシュ(2) の続き になります。

よろしければ、episode10 スカッシュ(1) から順にお読みいただくと、話がわかりやすいかと思います。




三十分の体験レッスンが終わって、姫がコートから出てくると、ちょうどコートにやってきたところの、アラサ―OL風の女二人が姫のことをジロッと睨みつけた。
「なんだろ、感じ悪~」と姫は思ったけれど、大して気にも留めずに、その日は帰った。


それから一か月が過ぎようとしていた。すっかりスカッシュの魅力に取りつかれた姫は、斗真コーチ以外のコーチの体験レッスンにも何度か参加してみた。ただ、マンツーマンということは一度もなく、定員の五人で交互にコーチと打ち合うため、練習量が全く違った。
また、コーチによって、癖があるというか相性もあるので、初めてのコーチが斗真コーチで、しかもマンツーマンだったのは本当にラッキーだったと思う。もし、斗真コーチじゃなかったら、こんなにもハマらなかったかもしれない。


そんなある日、あの感じ悪い女二人組と、斗真コーチのレッスンのときに一緒になった。
言動から察するに、どうやら彼のファンらしい。姫がマンツーマンで教えてもらっていたので、妬まれたのかもしれない。

その日のレッスンは、姫と彼女たちの三人だった。
「じゃ、姫さんから」
斗真コーチは姫の名前を一番に呼んで、手招きした。たまたま、予約票の一番上に姫の名前があったからだと思うけど、その順番も彼女たちは気に入らないようだった。

コーチの見ていないところで、つまり、姫とどちらかの女が、コートの隅っこで見学しているときに、いきなり脅された。
「アンタ、何、いい気になってんの?」
「はぁ?」
「斗真ちゃんに色目使ってんじゃねーよ」
「別に使ってませんけど」
「こないだ、マンツーマンだったろ?」

姫はもうこれ以上相手にするのはよそうと思って、無視した。
「なに、シカトしてんだよ!」
スポーツクラブにはおよそ似合わない、ばっちりメイクの顔が、ドスのきいた声で姫を威嚇する。

そのとき、時間が来たようで、威嚇女がコーチと打つ順番になった。さっきとは全く違う満面の笑顔で、「コーチ、お願いしまーす」と言っている。
「どっちが、色目使ってんのよ!」と心の中で叫ぶ姫。

先ほどまでコーチと打っていた女が、姫と並んで見学になる。
「アンタ、見かけない顔だね」
またしても「アンタ」呼ばわりかい? と心の中で思いながらも、「あ、どーも」だけで済ませる。下手にこの人たちと関わると面倒なことになる気がした。

「いつから?」
「何がですか」
「斗真ちゃんのこと」
「はぁ?」
この人たち、「斗真ちゃん」とか呼んでるんだ。似てるもんな、確かに。わたしも「斗真コーチ」って、陰では呼んでるけど。でも、「ちゃん」付けはどうなの? コーチと同い年くらいじゃないの? それに意味わかんないし、何言ってんだろ。

「いつから、斗真ちゃんのこと、好きなんだって訊いてんだよ!」
この人も凄味をきかせてくる。
「別に好きとか……。ただ、コーチとして、スカッシュ教えてもらってるだけですけど」
「ちげーだろ」
「違いません」

そのあとも、グダグダしつこかったので、姫はこのカンチガイ女のことも無視することにした。



     【episode10 スカッシュ(4)に続く】





episode1 から読んでみたいかたは、こちらからどうぞ。
   ↓
わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode1 三日月






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