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恋愛小説:わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode11 バレンタイン(3)


このお話は、わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode11 バレンタイン(2) の続き になります。

よろしければ、episode11 バレンタイン(1) から順にお読みいただくと、話がわかりやすいかと思います。



二月十四日、日曜日。朝は晴れていたのに、昼前からみるみる曇ってきて、風が冷たくなった。天気予報は当たるのかもしれない。
夕方から雪になると言う。

姫は三時頃、男のマンションに着く予定でいたが、電車が万が一動かなくなったら困ると思い、午前中のうちに出かけていた。
男は朝からバイトだと言っていたから、いつ行っても構わないはずだ。

昼過ぎには、姫はもう男のマンションに着いていた。駅からタクシーにして正解だった。というのも、駅のあたりに何もお店がないと聞いていたので、姫は自分の家の近くのスーパーでいろいろ食材を買い込んで行ったのだ。両手いっぱいの大荷物。これで、何度も乗り換えながら行くのは、結構きつい。

最初、バレンタイン用にチョコレートケーキを作ろうと思っていたのだが、男がバイトからお腹を空かせて夕方帰ってくるだろうと思い直し、急きょ晩ごはんを作って待っていることにした。
合鍵を渡されたときから、チラッと頭に浮かんだ「同棲」という甘酸っぱい響きに、姫はわくわくしていた。

キーケースにふたつ並んだ鍵のうち、キラキラ光っている新しいほうが、男の部屋のものだ。
それを取り出して、さっそく男の部屋の中に入った。
アラミス900が、姫を出迎える。男のいつもの香りに、ホッとする。

部屋の中は、思ったより片付いていた。前に一度来たときは、もう少しごちゃごちゃ物があったような気もする。あれから三か月。年末にでも片づけたのかもしれない。

玄関をじっくり見る。女物の靴は、ない。よし!
以前、別の男の部屋に遊びに行ったとき、赤いハイヒールがあった。男に尋ねると、「ここはサーフィン仲間がいっぱい来るから、前に来た子が置いていったんだよ」と言われたことを思い出す。そのときはなんかおかしいと思いながらも信じてしまったが、結局、そこは女の部屋だった、というオチ。
全然シャレになっていない。女の部屋の合鍵を持っていた男が、その女の留守中に別の女(姫)を部屋に上げただなんて、サイテーにも程がある。まぁ、その男とは何もなかったから良かったけれど。

それ以来、姫は少し用心深くなった。
まず、玄関に女物の靴がないか、それから洗面所に歯ブラシや化粧品がないか、お風呂場に女物のシャンプーやトリートメントがないか、などチェックするものだ、と友達にも教えられた。

この前来たときは夜遅かったし、男と一緒に部屋に入ったので、あまりジロジロ見ることはできず、玄関しか確認できなかった。


姫は部屋に入ると、まずキッチンに、買ってきた食材一式をまとめて置いた。それから、ユニットバスをチェックする。一応、合格! 女物らしきものは、何もなかった。
次にベッド。念のため確認してみる。確かドラマでは、ベッドの下とかにピアスが落ちていたりするものだ。
それも見当たらない。特に怪しいところはなさそうだ。

キッチンに戻り、冷蔵庫に食材をしまうと、急に寒さを覚えた姫はファンヒーターをつけてその前にしゃがみこんだ。
しばらくして、身体が温まってきたのでソファに座った。
男が帰ってくるまでには、まだかなり時間があった。朝早くからの慣れない長距離移動のせいで、なんだか少し疲れて眠くなった姫は、そのままソファで寝てしまった。


     【episode11 バレンタイン(4)に続く】




episode1 から読んでみたいかたは、こちらからどうぞ。
   ↓
わたしがまだ姫と呼ばれていたころ episode1 三日月





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