スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

恋愛小説:セシル~恋する木星~

セシル ~恋する木星~ 第1話 懸賞で当たった旅行


「鈴木セシル」から、「葵(あおい)セシル」になって七年が過ぎた。
セシルは、夫と幼稚園に通う息子との三人暮らし。
二年前、夫の転勤で京都から横浜に引っ越してきた。

横浜は、セシルが十歳の夏休みに初めて訪れた場所だった。山下公園で氷川丸を見ながら、「ここは、わたしの街。わたしは、ここに住む!」と、宣言した通りになっていた。

セシルは息子を出産して、初めて専業主婦になったのだが、そのころハマり出した趣味のひとつに懸賞があった。よく当たるのでテレビや雑誌の取材も何度か受けていた。
ここ最近の一番の戦利品と言えば、フランス旅行だろう。二月下旬に一週間、パリとニースに行くことになっている。全国で三組六名の招待旅行。まさか自分が当選するとは思っていなかったので、セシルは当選の電話がかかってきたとき、本当に驚いた。

五歳の息子を残して行くのはどうかと思ったけれど、もう二度とこんな機会はないだろうからと、夫も快く留守番を引き受けてくれた。
結局、実家の母親が息子の面倒をみてくれることになり、セシルは京都の大学時代の親友、直子と一緒に行くことにした。
直子は、大学のときからつきあっていた、同じサークルのひとつ上の中村先輩と結婚して、翌年すぐに子どもが産まれた。今、小学二年生の男の子の母親だ。

セシルが直子をフランス旅行に誘ったとき、一週間家を空けることになるので、先輩に反対されるんじゃないかと少し心配したのだが、意外にもすんなりOKしてもらえたと聞いてほっとした。子どもは先輩の実家で、お姑さんがみてくれるとのこと。直子はお姑さんに気に入られているから、何の問題もなかった。


二月十九日、快晴の成田空港からフランスに向かって、セシルと直子は飛び立った。
セシルは大学三年の夏休みに、直子は十年前にハネムーンで、それぞれフランスに行ったことがあった。今回、ふたりとも二度目の渡仏だ。

結婚すると友達づきあいが希薄になってしまいがちだと、特に女性はそう言われることが多い。
でも、ふたりは京都と横浜に離れてからも、年に一度は会っていた。今回の旅行のように、一週間も一緒にいるのはさすがに初めてだったけれど。





☆ 【関連短編小説】のご案内 ☆

電子書籍『セシルと真実也の物語』は、こちらからどうぞ。
立読みもできますので、お気軽に(*^_^*)



人気ブログランキングへ
☆ お読みいただき、ありがとうございます ☆
関連記事

テーマ : 恋愛小説
ジャンル : 小説・文学

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

cafe sanur

Author:cafe sanur

現在の閲覧者数:
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。